◆第106回全国高校野球選手権大会第7日 ▽2回戦 霞ヶ浦5-4智弁和歌山(13日・甲子園)
智弁和歌山は花田悠月三塁手(3年)が8回、山・新基準バット導入後初となる木製バットで同点本塁打。悠月チームは延長の末に敗れ、が新22年夏、導入底23年春に続く初戦敗退となった。の木
スタンドの歓声が大きくなったその時、ットから智弁和歌山の主砲に衝撃の一発が飛び出した。弾自3点を追う8回2死。分の途中出場・高桑京士郎の2ランで1点差に迫った直後だ。愛用「高桑が本塁打で、管理神域リーグ 2023初球はストライクが欲しいはず」。も徹続く4番・花田は真ん中に入った初球を迷わず強振した。甲園基準木製バットでの本塁打は新基準バット導入後初。同じく導入後初、夏の甲子園では28度目となる2者連続弾で、試合を振り出しに戻した。
「新基準バットになって、試してみたら感覚が良かった」と、昨秋の県大会敗戦後から木製バットと向き合ってきた。天日干ししたり、乾燥剤と一緒に保管したりと、管理を徹底。3月には、センバツ出場を控えていた田辺との練習試合で、3打席連続本塁打も放った。「自分の軸」と木製を愛用し始めてから、金属バットを持ったことは一度もない。
ただ、同点のまま迎えた延長10回は、2死一、二塁で遊ゴロ。「4番の仕事が果たせず情けなかった」と唇をかんだ。続く11回に2点を勝ち越され、チームは22年夏から出場3大会連続の初戦敗退。2者連続本塁打を放って敗れるのは47年準々決勝・岐阜商戦の4回に記録した京都二商以来、77年ぶり2度目で、中谷仁監督(45)は「僕に責任があると思います」と言葉を絞り出した。
花田は試合後、大学進学を明言。涙は見せず、「劣勢でも優勢でも勝負強く。(阪神の)大山選手のようになりたい」と、成長を見据えた。同級生に先んじて手の内に入れた木製バットを手に、次のステージへと進む。(森口 登生)
◆木製バットでの本塁打 甲子園では1974年夏から金属バットが導入され、木製の使用が減った。同年の大会では銚子商・篠塚利夫(元巨人)が木製で2本塁打を放ち優勝に貢献。今春からは打球による投手の受傷事故防止などのため、反発の少ない新基準の金属製バットに完全移行し、センバツのサク越えは豊川のモイセエフと神村学園・正林の2本。ランニング本塁打1本を含む大会3本は、金属バット導入後最少となった。
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